2007年12月10日月曜日

落ち葉

「サクッ」「サクッ」踏みしめる度に乾いた音が返ってくる。
冷え込む夜道に、襟を立てて足早に帰ろうとするが、
感触がなぜか嬉しくなる。
そんな落ち葉の絨毯を敷き詰めた道。
風に舞い上がる落ち葉を「寒い」と言わんばかりに
引力が慌てて引き寄せる。
そんな落ち葉の毛布をまとった道。

感触を楽しんでいた私は、木々たちの視線を感じるようで
少し罪悪感に苛まれていた。

眠れぬ夜に

ひらひら舞う葉っぱに時間を緩やかにされた過去
今は残された葉っぱがちょっぴり寂しそうに思える
寄せる波と返す波
日の出と落陽先を行く者、
後に残された者
どちらにも同じように許された、与えられた時間
月の満ち欠けは1ヶ月
星の瞬きは何光年
肉眼に映る、過去の光
心に宿る、過去の過ち
耳を澄ませば、頭を通さずに伝わってくる感情
どこから聞き出せばよいか分からずに
途方に暮れる夕闇に
明け方の空を思い浮かべて
眠れぬ夜を憂うひととき

黄色の言葉

12月―

黄色い葉っぱが道を覆い尽くして、
車が通るたびに舞い上がっては道路をまた色づける。
以前より寒そうな枝たちが震えるように空を目指している。

お気に入りの毛糸の手袋を眺めて、グーとパーを繰り返す少女。
ニット帽がずれてしまい、なかなか歩き出せない少年。

それぞれ親に急かされて、わずかに色づいた黄色い絨毯の端を通っていった。
せっかく排水溝に蓋をしたのに、指定の袋に次々に放り込まれ、
集められる黄色と反比例して、やがて黄色は斑模様のみとなった。

やがて普通の並木通りとなるその時まで、銀杏は風に、風圧に舞い上がる。

黄色の輝きは、最後の最後まで、
色がくすんでも色褪せないようにと、存在意義を主張している。
また来年も見上げさせるために。

それは下を向くことになれた人間のためなのか―
それは運動不足の腰を伸ばすためなのか―