12月―
黄色い葉っぱが道を覆い尽くして、
車が通るたびに舞い上がっては道路をまた色づける。
以前より寒そうな枝たちが震えるように空を目指している。
お気に入りの毛糸の手袋を眺めて、グーとパーを繰り返す少女。
ニット帽がずれてしまい、なかなか歩き出せない少年。
それぞれ親に急かされて、わずかに色づいた黄色い絨毯の端を通っていった。
せっかく排水溝に蓋をしたのに、指定の袋に次々に放り込まれ、
集められる黄色と反比例して、やがて黄色は斑模様のみとなった。
やがて普通の並木通りとなるその時まで、銀杏は風に、風圧に舞い上がる。
黄色の輝きは、最後の最後まで、
色がくすんでも色褪せないようにと、存在意義を主張している。
また来年も見上げさせるために。
それは下を向くことになれた人間のためなのか―
それは運動不足の腰を伸ばすためなのか―
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