2008年3月8日土曜日

心配り

月の約半分ほど、仕事の関係で東京に行っています。

一人でランチを取る時は、最近行くところが決まっています。

なぜか、そこのお店に行くと落ち着くのですね。

マスターが明るい声で出迎えてくれること。

活気のある厨房スタッフとの声の掛け合い。

そして…歴史が染みこんだテーブル。

それがまた、お洒落に感じることもあります。



いつもはランチタイムをずらしてお店に行く私ですが、

その日は出張から帰ってきたこともあり、大きな荷物を抱えていました。

“混んでるなぁ。奥の方には座れないなぁ”という思いがありました。

「すいません、一人です。大きな荷物があります」と伝えたところ、

「ちょっと待っててね」という、いつもの明るい声。

少し待っていると、2人で来ていたお客さんを奥の方へ移動してもらう様子。

申し訳ないなぁと心の中で思いながら、その様子を遠目に見ておりました。



「お客さん、すぐ準備するから、奥の広い方へ移動してくれる?」



その第一声を聞いて、なるほどなぁと思いました。

聞いたお客さんは、それほど悪い気がしません。

広い方へ移動して欲しい…言い方が上手いなぁと思いました。



その後、席につき「狭いテーブルでごめんね」という言葉。

やられたなぁという思いがしました。



込み合った店内で、忙しいランチタイム。

厨房もフル回転です。

「あそこのお客さん、ちょっと待たしてるから、量を増やしてあげて」

店内で繰り広げられる心配りの数々。

このお店がお客さんを引き寄せる隠し味の秘密。
それが分かったような気がしました。