月の約半分ほど、仕事の関係で東京に行っています。
一人でランチを取る時は、最近行くところが決まっています。
なぜか、そこのお店に行くと落ち着くのですね。
マスターが明るい声で出迎えてくれること。
活気のある厨房スタッフとの声の掛け合い。
そして…歴史が染みこんだテーブル。
それがまた、お洒落に感じることもあります。
いつもはランチタイムをずらしてお店に行く私ですが、
その日は出張から帰ってきたこともあり、大きな荷物を抱えていました。
“混んでるなぁ。奥の方には座れないなぁ”という思いがありました。
「すいません、一人です。大きな荷物があります」と伝えたところ、
「ちょっと待っててね」という、いつもの明るい声。
少し待っていると、2人で来ていたお客さんを奥の方へ移動してもらう様子。
申し訳ないなぁと心の中で思いながら、その様子を遠目に見ておりました。
「お客さん、すぐ準備するから、奥の広い方へ移動してくれる?」
その第一声を聞いて、なるほどなぁと思いました。
聞いたお客さんは、それほど悪い気がしません。
広い方へ移動して欲しい…言い方が上手いなぁと思いました。
その後、席につき「狭いテーブルでごめんね」という言葉。
やられたなぁという思いがしました。
込み合った店内で、忙しいランチタイム。
厨房もフル回転です。
「あそこのお客さん、ちょっと待たしてるから、量を増やしてあげて」
店内で繰り広げられる心配りの数々。
このお店がお客さんを引き寄せる隠し味の秘密。
それが分かったような気がしました。
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